日本人の英語コンプレックスよりも問題なこと
私は、大学院生の時に、1年間海外で過ごす機会に恵まれました。そのため、ほんの少しではありますが、日本人にとって英語教育の足りないこと、足りていることを理解しているつもりです。
はっきりと言って、この中学受験ブームも英語教育ブームも、本質を知らないブランド信仰の強い、島国日本だから起こり得ている現象だと思います。
きっと昔から、最難関校へ中学受験する子どももも、インターナショナルスクールに通わせる子ども、日本の一部の富裕層にだけ与えられた特権だったのだと思います。
決して、日本の中流層が参加する教育方法ではなかったのだと思います。
しかし、極度の少子化と日本経済の先行き不安、共働き家庭の増加による、世帯年収の増加により、子どもに対する教育投資の有効性が多くのメディアで取り上げられたことが、現在の中学受験、英語教育の過熱に繋がっていると感じます。
またこの流れを考えると、今後は情報教育と理数分野について、ブームが来るのではないでしょうか。
さながら、昨今のふるさと納税、NISAやiDeCo等と節税・投資ブームとよく似ています。
「えっ!?やっていないんですか?」、「えっ!?もったいない!」、「将来大変なことになりますよ!」、「マイナカード作ってないんですか?」
それらは、銀行や証券会社が、国とマスコミを利用して営業活動をしているようです。
また同じように現在の中学受験の過熱は、私立学校、教育産業、塾業界の営業活動のようにも感じます。
自民党と電通がズブズブの関係であったように、文科省とベネッセや検定団体もえらく仲が良いように感じてしまいます。
検定試験の合格を得点として加算する予定だった共通テストの英語試験はその最たるものに感じます。
ベネッセが推進する生徒学習ポートフォリオというものもありました。
実際、私立学校は多くの塾産業と提携し、塾講師を招いての講習を学校でおこなっています。
またリクルートのスタサプや、ベネッセのClassiを導入している学校も多いです。
子どもの中学受験を申し込む「未来コンパス」も三菱地所関連の企業で、申し込み欄に「現在通塾している塾」という選択欄があります。アンケートではありません。
教室名まで打ち込む必要があります。
これくらい私たちは、企業のマーケティングの中にさらされた人生を子どもと共に歩んでいます。
投資と英語教育の必要性
私は、子どもに公文で英語を習わせていますし、投資もやっています。そうゆう意味で、全くこれが必要ないとは思っていません。子ども用のNISA口座も開設しております。
ただみんながやっているからやっているという人たちとは違います。
投資に関しては、インデックス投資どころか、インターネット証券もない20代の頃に松井証券という当時革新的だった証券会社で口座を作り、留学に関しては、別の専門分野も学ぶために、その手段として英語を学びました。
ただ文面にするとカッコが良いのですが、挫折と失敗も多い自己投資ではありました。
ゆる受験において、自分の経験からも、留学も英語教育も、NISAもジュニアNISAもほどほどが一番だと思っています。
幼児期の海外生活は、子どものアイデンティ形成の点で大きな問題があります。
また留学も、中学生や高校生ならば、2周間から1ヶ月までで十分です。
雰囲気を知るだけで良いのです。
英語が話せなくて、多くのチャンスを無駄にするくらいが、
その後の英語学習へのモチベーション、そして、大学で長期留学をしたいという気持ちにつながります。
中学校や高校で1年以上留学を経験している日本人は、外国人コミュニティへの参加はは上手ですし、英語の発音も非常に良いのですが、日本人を見下してしまう傾向を感じます。
外資系や海外で就職するならば良いのですが、以外大人になってからうまくいっていない傾向を感じています。
ちょうど良いのが、大学生で1年間の交換留学、ワーキングホリデー程度ですが、これらも、多くの場合、本人が思っているほど、就活活動に活用できるものではありません。
あんがい面接の時は、留学や幼少期の海外経験の話はしない方が、受けが良いものです。
つまり、保護者が感じるほど、海外経験は本人の進路にはプラスに働きません。
これも、結局は親のコンプレックスです。
「友人が英語ペラペラで羨ましかった。」
「友人が海外で子どもを育てた話でマウントをとられた。」
まったく中学受験と同じ状態です。
私もそうですが、親は自分のコンプレックスを子どもで解消したいという願望があります。
ただこれ自体は、スポーツ選手やオリンピック選手も同じです。
問題なのはスポーツと違い、英語教育や留学経験、中学受験は、お金があれば子どもの適正と合わなくても継続できてしまうことです。
そのような点で、投資と同じです。
ゆっくり待てば、元金が大きくなるような気がします。
しかし、残念ながら無理な投資は、大きな損失として将来返ってきます。
それが、中学・高校の時期だと思います。
英語教育・中学受験のゴールはどこ?
きっと多くの親にとって、ゴールは大学受験の方が多いと思います。
大学受験のための英語教育、大学受験のための中学受験です。
面白いのが、そんなに英語教育がんばったはずの親が、息子・娘が海外の人と結婚する、外国に住みますというと、非常に悲しがる人が多いことです。
おなじように、世界で活躍できる人材の育成とうたう学校は、本当に世界での活躍を考えているのでしょうか。
自在に大阪にある、伊藤忠商事株式会社は世界で活躍する人材がたくさんおられますが、
多くが、日本の国立私立大学出身で、部活動等で汗を流したような人が多いと聞きます。
あくまで、日本人としての、アイデンティを持って仕事をする以上、
日本人としての文化を大切にし、相手の文化を尊重できるような人が本当の国際人なのではないでしょうか。それ考えは、大谷翔平を見ていて確信に変わりました。
本当の実力のつけ、相手への敬意を忘れなければ、どこの国に言っても通用します。
実際、留学先にいる日本人は、「日本でもこの人は、嫌われるだろうなぁ」と感じる人が多かった…。多分、「私は日本より外国の方があうねんなぁ〜」と言い続け、海外へきたのでしょう。
1年の留学でしたが、言葉が違うだけで、人間どこに行っても、人気者は人気者。なにも変わらないなぁ〜と思いました。
ただ、文化の違いを理解するために、海外へ行くことは大切です。
自分の中での、他人に対する寛容度や日本人の考えの狭さを理解することができます。
私もそうでしたが、留学は自分のお金で行かせてください。
目的なく親のお金で留学している人たちに私は、魅力を感じませんでした。
英語教育・中学受験はピアノ、ダンス、水泳と同じ。
英語教育と中学受験は過熱していますが、ピアノ、ダンス、水泳教室が過熱しているとは聞いたことがありません。
人気くらいですね。
ではなぜ、英語教育と中学受験が過熱しているかというと、大学受験の合否に関わるからです。
それくらい、今良い大学に行かせたい親がおおいのでしょう。
就活サイトの学歴フィルターも私たちが就職した頃は、あるかもしれない程度だったものが、現在は、100%存在していることが、この情報化社会の中であきらかになっています。
またYouTubeやTiktok等で、学歴がないことが以下に人生がハードモードになるかということが、多くのインフルエンサーによって話題にされています。
そのような環境だからこそ、英語教育と中学受験が過熱しています。
ただそれにより、日本の幼児教育がおかしくなってきていると思います。
あくまで、英語教育も中学校受験も、ピアノ、ダンス、水泳と同じであって欲しいと思います。
才能のある子が、英語も受験も頑張ればよいと思います。
私はダンスが苦手ですの、毎日ダンスをやる幼少期なら、それは地獄です。
ただ、さまざまな習い事の中から、得意が見つかればそれは子どもにとって幸せなことです。
大事なのは、ネットの情報や周りの知り合いの情報に翻弄されずに、親と子どもが興味を持ったことに対して、親と子どものペースで参加するマイペースな心です。
それが出来ないと、情報に翻弄され、周りの目を気にし、大切なお金と時間を失い、大切な子どもの心を壊してしまいます。
大谷翔平は野球ができるから年俸が高いのです。
英語ができる人は、英語が得意だから翻訳家や通訳になれるのです。
もし、算数ができるならが、研究者や学者になればいい。
もし、国語ができるなら、小説家や編集者になればいい。
大学は研究機関です。
小学生が全員学者をしている。それが現在の中学受験の異常です。
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