親と子のマウント合戦の場。それがプラネタリウム
この冬に、長男の受験が終わりましたので、約束していた小旅行とUSJに家族で行ってきました。
この1年間は、土曜日の塾と長期休暇も旅行を控えていましたので、長男もとても喜んでいました。
小旅行では、関西圏の都市に行きました。そこで、ホテルに宿泊し、近隣の観光をおこないました。
次男の希望により、プラネタリウムのある科学館に行ったのですが、正直驚きました。
車がずーっと満車で入れないのです。また駐車場も広いのになぜ?と思いました。
過去に、プラネタリウムの経験としては、わが家では、長男が4歳の時に、明石の天文台、西脇市の天文台に連れて行ったきりで、久しぶりのプラネタリウムでした。
ちなみに、長男は理科の分野では、天体が最も好きです。
都会育ちということもあり、星の見える夜空に憧れがあるそうで、あんまり使っておりませんが、わが家には、2万円くらいで買った天体望遠鏡もあります。
たった2回のプラネタリウムですが、長男の星空への興味をひくためには充分な回数だったようです。
ちなみに今回行ったプラネタリウムは超満員!
科学館も溢れんばかりの、メガネにリュックに水筒を入れた、いかにも賢そうな子どもばかりでした。
長男もメガネをかけているので、他の人からはそう思われているかもしれませんが、まぁお受験をしてそうな、また今後しそうなお子様ばかりでした。
その上、今回のプラネタリウムは小声で喋って良いこともあり、おとうさん、おかあさん、子どもがよく喋る。
「あれは、プロキオン!」、「冬の大三角が見える」、「木星はコレ。金星はコレ。」等聞こえてきます。
科学館のお姉さんより先にみんなよく喋る…。
親も子も、周りの子たちへのマウント合戦です。
私は思い出しました。
それは、塾の公開テスト前やプレテストでの親子の会話と同じです。
「◯◯君は、努力家だからね〜」、「俺今回算数は満点やわ」、「あの問題〇〇でやってたわ」
それ、まわりの人に向けての会話ですよね…。
もうプラネタリウムは、中学受験塾の分校です。
アメブロにも、土日をいかに、子どもをプラネタリウム、博物館、自然体験に連れて行ってるかマウントをとる方が非常に多いと思います。
今の時代は、親同士が、USJ等でマウントを取るのではなく、プラネタリウムや歴史資料館でマウントを取る時代になってきたのだと思います。
USJはグローバルな値段設定
1ドル160円近い超円安の今、海外旅行に行ける日本の家庭は非常に減っていると思います。
どこも老朽化と戦いながら、アイディアでカバーしている日本のプラネタリウムが大人気なのも、その円安や物価高の影響はあるでしょう。
また物価高だけでなく、習い事の月額費はどんどん上がり続けているので、子どもに多くの習い事をさせてる日本家庭では、塾の合間を縫っての海外旅行はなお厳しいでしょう。
今回のUSJで感じたことは、なにもかもが非常に高いことです。
ミニオンのぬいぐるみがもらえるゲームが1回1700円(バナナ4本で)。
マリオのお菓子を買おうと思うとだいたい2500円以上。
小さいキーホルダーが1600円。
ホットドッグが2000円。ドリンクが1500円。
昔私がはじめて行ったUSJ(オープン1年目)の記憶を遡ると、物価約2.2倍のイメージです。
最近、東京ディズニーランドが、年パスを廃止し、高級路線に切り替えたのも良くわかります。
中高生がたくさん来たところで、お土産や食事をすることは不可能でしょう。
そのため最近の東京ディズニーリゾートのCMは、昔は高校生や大学生が卒業旅行を楽しむCMでしたが、最近は、30代〜40代の女性同士が、二人で仕事の疲れを癒やすといったCMに変わっております。「お金いっぱい使ってね」ってことでしょう。
また東京ディズニーリゾート(オリエンタルランド)は、高級クルーズを計画中なのも、完全にターゲットの変更をおこなったということでしょう。
USJで聞こえた日本人の声としては、「関西に2泊3日で来て、このアトラクションに2時間も並んで、家族で40万円使っているのに…。」という声でした。
関西圏に住んでいても、家族5人でUSJに行けば、お土産も合わせて、日帰りで10万円程度は必要でしょう。
もし、わが家が、家族5人で東京ディズニーリゾートへ2泊3日新幹線で言って、リゾートへ宿泊すれば、40万円かかるでしょう。
一昔前なら、家族5人でハワイに行けた金額です。
私は、20年前にアメリカ留学の帰り道に、ハワイに1週間ほど滞在していましたので、大体の金銭学は分かります。1ドル105円の頃でした。
それでも、天下一品のこってりラーメンは、1200円もしたので驚きました。(その当時は、日本のこってりラーメンも650円でした)
ファストパスでガンガンいこうぜ!
長男と新しくできたドンキーコングエリアに並んでいる時に感じました。
190分待ちです。周りは日本のファミリーと日本のカップルばかりでした。
いても、時間がたっぷりある外国人の若者たち。
私たちが、190分並んでいる間に、外国のファミリーたちは、ファストパスでガンガン先頭列に入っていきます。
これを日本のバブル期の70歳くらの元企業戦士たちが見たらどう思うのでしょうか。
日本は確実に貧しくなっております。
その後、テレビで台湾人に人気の、USJのVIPツアーを見ました。
4人で40万円でした。
ただ私は、これは安いなぁと思いました。
わが家も東京ディズニーリゾートに40万円使うなら、交通費別でも海外の貴重な時間に40万円を使いたいと思います。
それくらい、国内で使うお金を海外で使ったほうが子どもの経験になります。
食事、文化、言語、マナー、コンテンツ、エンターテイメント、ショービジネス、同じお金を使うなら、海外で使うほうが、子ども経験としては、極めて大きいと思います。
円安の今、日本のUSJに行く外国人家庭
日本人は、子どもを習い事漬けにして、プラネタリウムに言って、日本人の親同士でマウントを取り合う。
外国人(特にアジア人)は、円安の機会に、USJへ行って、世界最高峰のテーマパークとコンテンツをしっかりお金を使った子どもに経験させている。
どちらが、今後の国力になる子どもかは一目瞭然です。
われわれ日本人は、どんどん目先の教育ビジネスという小さな体験ばかりに課金して、大きな経験を子どもにさせられていないのだと思います。
英検の受験よりも、1回の海外旅行。
プラネタリウムよりも、田舎の宿泊体験。
大阪のUSJよりも、シンガポールのUSJ。
プラネタリウムに20回行くなら、田舎の旅行に行きましょう。
たしかに、プールにピアノ、英会話にそろばん、サッカーに体操と、現在の子どもたちは、大きな体験ができる時間がありません。
またわれわれ親も、情報が多すぎて、子どもになにかを習わせていなにと不安になってしまいます。
特に、小学校4年生から受験塾に通い出すと、宿題に追われ大きな体験どころではなく、親マウントに対抗するかのように、歴史マンガの購入、実験教室、参考書コレクションと余計なものにお金を使いがちです。
大切なのは、最低限の受験対策で、大きな体験にこそお金と時間を使うことです。
そのための、「省エネ受験」、「ゆる受験」です。
塾の宣伝のために、大きな体験を逃してしまう
偏差値60の学校なら十分です。
偏差値70を視野に入れてしまうと、子どもの将来に向けた大きな体験ができなくなってしまいます。
ただ偏差値70に合格すると、塾は非常に助かります。
なぜなら、宣伝に使えるのは、偏差値65以上の学校だからでしょう。
もちろん、東京大学や京都大学、国立大の医学部しか見ていいない。
という親ならその努力は必要でしょう。
しかし、多くの親にとってそれは「あわよくば」です。
本気でそこしか見ていない親は、かなり少数派のはずです。
また親の努力でできると思っているならば、かなりの毒親です。
残念ながら、私の理論では、高校3年生で多くの子どもたちの心身の成長が揃います。
その時期に、「東大しか認めない」という毒親と子どもの関係は、決して良好な状態ではないでしょう。
親が口出しできる志望校は、精神が未熟な高校受験までです。
ペーパードライバーが大型トラックを運転
18歳は成人です。学費や下宿については、しっかり話し合う必要がありますが、偏差値で志望校を話し合うには、大人同士ですから難しい話です。
それは、会社の仲間や後輩にその話を切り出す状態だと思ってください。
「車の免許を取り立てで、大型トラックで配達しろ!」と言われているような状態です。
給料や勤務地の希望は話し合えますが、大人には挑戦と無謀の違いが分かります。
ただ、中には、ペーパードライバーで大型トラックを運転できてしまう人もいるでしょう。
20人に1人は、東京から大阪まで無事故で運転できるかもしれません。
それが、中学受験ブログや塾のHPで出てくる「偏差値30代からの最難関合格」生徒なのだと思います。
小学生だから、親が臨むことで、無謀なチャレンジができてしまうのです。
だけど、残りの19人が、東京から大阪の間で、小さい事故や大きな事故を起こしてしますのです。
「オーナー(親)の無謀な期待と、塾の看板を背負った大型トラック」に乗って。
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